死亡慰謝料の金額|岡崎の方向けの『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心

死亡慰謝料の金額

  • 文責:弁護士 井川卓磨
  • 最終更新日:2021年3月8日

1 死亡慰謝料とは

被害者が交通事故によって死亡した場合、被害者は死亡時に加害者に対して慰謝料請求権を取得し、被害者から相続人に慰謝料請求権が相続されます。

また、被害者の近親者は、被害者が死亡したことによる精神的な苦痛が生じますので、被害者の慰謝料請求権とは別に、被害者の近親者固有の慰謝料請求権が認められます。

交通事故実務では、被害者の慰謝料請求権と近親者固有の慰謝料請求権を合わせて、死亡慰謝料として扱われています。

2 死亡慰謝料の自賠責基準

自賠責保険の基準(いわゆる自賠責基準)では、令和2年4月1日以降に発生した交通事故により死亡した被害者についての死亡慰謝料は、以下のとおり定められています。

⑴ 死亡した被害者の慰謝料

被害者の本人の慰謝料は、400万円となります。

⑵ 近親者固有の慰謝料

近親者固有の慰謝料請求権を有するものとして、被害者の父母(養父母を含む。)、配偶者及び子(養子、認知した子及び胎児を含む。)が対象とされています。

その金額は、請求権者1人の場合には550万円、2人の場合には650万円、3人以上の場合には750万円となります。

なお、被害者に被扶養者がいるときは、上記金額に200万円が加算されます。

3 裁判基準の死亡慰謝料

裁判基準の死亡慰謝料は、裁判例の傾向をまとめた「青本」、「赤い本」等の基準を目安に算定されています。

青本と赤い本の違いは、裁判例の傾向を踏まえて、金額に幅を持たせているかどうかという点に違いがあるものの、被害者の属性にしたがって金額を算定する点では、共通しています。

⑴ 青本

ア 一家の支柱の場合     2700万円から3100万円

イ 一家の支柱に準ずる場合  2400万円から2700万円

ウ その他の場合       2000万円から2500万円

⑵ 赤い本

ア 一家の支柱        2800万円

イ 母親・配偶者       2500万円

ウ その他          2000万円から2500万円

4 裁判例の傾向

青本や赤い本準の基準額はあくまで目安額であり、裁判例を調査すると、被害者の年齢や家庭環境によって、金額に違いが出ています。

例えば、同じ母親・配偶者でも、子供がすでに独立した高齢者の母親・配偶者の死亡事故であるか、あるいは、そうでない場合であるかによって、金額には違いがあるようです。

また、未婚の若年者が死亡した場合には、青本や赤い本の基準ではその他の基準にしたがって算定することになりますが、裁判例の傾向をみると、その他の基準よりも高額な慰謝料が認められている事案を散見されます。

5 死亡慰謝料について弁護士にご相談ください

このように、裁判例の傾向をみると、個別具体的事情によって、基準額以上の死亡慰謝料が認められているケースも散見されます。

そのため、死亡慰謝料の適応な賠償のためには、上記裁判例の傾向に熟知した交通事故に詳しい弁護士に依頼する必要があるといえます。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ